抜け感を身に着けたら

ファッション雑誌によく出てくる「抜け感」ということばをご存知だろうか?

 

雑誌CanCamのホームページによると


「頑張っておしゃれしてきました」感を出さず、簡単に着こなしている様子。これを出せるとおしゃれ上級者的な扱いを受けることができる。

とのこと。

 

例えば、ニットセーターの袖から白Tをちらっと覗かせると抜け感は出るらしい。
パンツやジャケットの袖をロールアップするのもひとつ。
技を心得て、おしゃれ上級者的な扱いを受けたいものである。

 

さて本題は、写真にも抜け感は存在する!という話をしたい。

 

私が写真の抜け感を知ったのは、確か一昨年の春くらい。
サークルの先輩の写真を見て、うまく撮れるようになりたい〜と刺激を受けたのがきっかけと記憶している。

 

だが、センスが無い。私生まれてこの方、コンテストとか通ったことないし。

 

やはり基礎を抑えねば。ということで、カメラの学校というユーチューブチャンネルを見るようになった。

 

食べることが好きなので、手始めに料理のうまい撮り方を学ぶことにした。

▼鎌倉のカフェでカレーを美味しく撮る動画
https://youtu.be/UDCAWxKgLiU
動画では、プロカメラマンのyuricamera先生が丁寧に角度の違いを説明してくれる。

 

逆光か半逆光かにより、シズル感が変わるのが目に見てわかる。さすがHanakoに写真提供してるだけある、、、

 

もう一つのポイントがお皿の配置だ。料理をど真ん中に持ってくるのでなく、あえて中心からズレたとこに置いたり、サブ料理を使って対角線構図を作る。すると、写真に抜け感が出ると言うのだ。

 

yuricamera先生はまあいとも簡単に、この絶妙な空間の空け方と角度でシャッターをサクサク切る。

でもこれが本当に難しい。家でお昼ごはんを撮る時は15分くらい格闘した。料理に対するカメラの角度を1度ずつ変えて、試しまくる。ごはんも冷めちゃう訳で、結構悲しい。だから早くご飯にありつくために、頑張る。 

 

練習の甲斐あって、1か月くらいすると構図の感覚が身についてきた。そして「抜け感」とやらがわかる瞬間が遂に来た。なんというか、「!」と思った所を切り取ると、気持ちいいのだ。快感!
わかります?!


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取り敢えず、ど真ん中構図


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広がりがあって、抜け感ある。カレーが輝いてますね

 

これが他の写真にも言えることで、きっちり垂直を取ったり対角線に注意すると、平面の写真に奥行きが出て、窮屈感がなく見やすい。


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スーっと奥行きがあると、なんか良い。抜け感すごー!


だから工場夜景・団地愛好家で有名な大山顕さんの写真はたまらないのだな。

 

少しの訓練的なものをすると、身につく抜け感。あるだけで、見える世界が少し変わる。
「構図どうこうではなく、何を撮るかが大切だ!」と言われることもあるけど、自分の中で気持ちいい写真を撮ることも結構ありなんじゃないかと思う。

 

ちなみに、ファッションの方の抜け感は未だにわからない。